CLEAN

謙遜なんて阿呆でもできる

愛の意味とか考えてる意味ない

うるさいうるさい

格好いい自分で生きていきたいだけ

神様お願い

 

言葉なんて口から零れたそばからイミテーション

本当のことだけ話したい

激しい打撃音 地を這うように続く

 

負けたくない

 

足枷になるならアイツなんて要らない

死ぬ瞬間にまで後悔したくない

ないないなんにもない

阿る自分死ね

 

背後の空に身を預けて落下

ゆるやかな弧を描いて

マットにダイヴ

痙攣止められない

 

これで

C・L・E・A・N?

 

この身に宿る欲よ出でよ

この身に流れる感情よ表出せよ

この身に実る光よ現出せよ

 

地に足は着いていない

腐食性の肉体 不感症の金属

触れれば吐き気を催す 見てんじゃねえ

見せもんじゃねえんだよ

 

頭脳は不要です神様

うるさいうるさい

あとはもう 格好つけて生きていくだけ

若造

ぼろぼろだわ

人生って理不尽だわ

くたびれた毛布にくるまった桜の花

風に吹かれて 人の形が崩れる

 

あきあきだわ

人生って堂々巡りだわ

わだかまる水の流れに花筏

風が吹きつけて 人の形に崩れる

 

泣き笑いですか

半笑いですか

くたくたですか

人生に倦んでいますか

何にせよ まだ

 

桜の木に芽吹いた緑を

ちぎって口に放り込んだ

めきめきと 身体を突き抜ける枝になるだけの

見えるところまで見たいと 伸びる枝になるだけの

 

人生を語るには

まだ 若造だから

食べたもの日記 ~その2~

3月29日(金)

朝食(買い物)

・サンドイッチのバラエティーセット(カツサンドとか)

 

昼食(社食)

・白米

・鶏のから揚げ

・千切りキャベツ

きんぴらごぼう

・お味噌汁

 

夕食(自宅)

・白米

・納豆めかぶ豆腐

・生牡蠣

・雪うるい

・削り牛タン

・日本酒

 

3月30日(土)

朝食(コンビニ食)

・サーモンおにぎり

・鶏めしおにぎり

・わかめおにぎり

 

昼食(社食)

・あんかけラーメン

・かぼちゃと鶏の煮付け

 

おやつ

チョコモナカジャンボ 2/3個

 

夕食(自宅)

・惣菜春巻き

・すき焼き風惣菜コロッケ

・納豆めかぶ豆腐

・雪うるい

・菜の花のおひたし

・白米

・豚ハツ塩焼き

 

3月31日(日)

朝食(自宅)

・白米

・納豆

・豚ハツ塩焼き

・雪うるい

・すき焼き風惣菜コロッケ

 

おやつ

・ハイチュウ3粒

・大判えびみりん焼き6枚

 

夕食(お花見)

・ビッグフランクフルト(コンビニ食)

グリーンカレー(屋台ごはん)

・ガパオ(辛い)

・豚肉のチリソース炒め(実質肉じゃが)

・ポテトチップス

かっぱえびせん

・あたりめ

イカピリ辛のやつ

・ビールと缶チューハイ何本か

 

夜食(友人宅)

宅配ピザマルゲリータとガーリックなんとか、ピザの耳の中チーズのやつ)

 

4月1日(月)

昼食(社食)

・ちらし寿司

・わかめの酢の物

 

おやつ

・ごまのお菓子(なんかおしゃれな美味しいやつ)

 

夕食(自炊)

・白米

・納豆アボカド

・鶏肉のトマト赤ワイン煮込み

・ニラカブレバ

 

4月13日(土)

起きぬけ(自宅)

・お白湯(岩戸の塩を加えたもの)

・バナナ1本

 

朝食(すき家

・白米

・生卵

・鯖の塩焼き

・ポテトサラダ

・納豆

・お味噌汁

 

昼食(鰻屋さん)

葉唐辛子の佃煮

・満寿泉(富山の日本酒、ちょびっとだけ)

・向骨の串焼き

・ひれの串焼き

・う巻き

・上うな重

・漬物

・肝吸い

(風邪が治りかけ。鰻やわらかくて香ばしくて美味しかったんだけど、鼻かんだときだけ味がわかってなんか笑った。)

 

夕食(沖縄居酒屋)

・昆布と切り干しの煮物(お通し。しょっぱい)

海ぶどう(ぷちぷち。これが単細胞……)

・島らっきょう

・もずくの天ぷら

・ドゥル天

・やわらか軟骨ソーキ煮(ドゥル天より軟骨の方がドゥルドゥルしてた)

・ソーキそば

ゴーヤチャンプルー

ミミガー

(けっこう味わかる。寝たらかなり良くなってそう。早めに寝る。)

 

4月14日(日)

起きぬけ(自宅)

・お白湯(岩戸の塩を加えたもの)

・バナナ1本

 

朝食(定食屋)

・白米

・鮭の甘塩焼き

しらすおろし

・納豆

・漬物

・お味噌汁

 

おやつ

歌舞伎揚げ1枚

・みちのくせんべい4枚(甘くてパリパリしてて美味しい)

 

昼食(そば屋)

・自家製十割の盛りそば

・山ウドのきんぴら

・新玉ねぎの甘酢漬け

・菜の花辛子味噌和え

・フキ味噌のせ白米

・わらび餅

 

夕食(定食屋)

・小松菜のおひたし

・野菜のぬか漬け(大根、にんじん、きゅうり)

・白米

・鯖の塩焼き(でかい)

・鶏のから揚げ

・ふのりとごぼうのお味噌汁

(となりに1999年生まれだという男の子2人組が座って、大戸屋にはじめて行ったとか、お酒が公式に飲めるようになったとか、そういうことを言っていて可愛らしかった)

 

おやつ

・キレートレモン1本

 

 

4/14(日)の日記

なんだかダメだ、なにもかもうまくいかない。

とてもひとりぼっちだ。喪失感、孤独感に呑み込まれそう。

なにをしても、ここに戻ってきてしまう気がする。

ぼくの欲望ってなに?

なにもない、からっぽだ。それは分かってたけど。楽しくない。楽しくないときは、哀しい。哀しいと、なにも生み出せない。哀しいときは、哀しい言葉を綴ればいいの?

たくさんの人と、すれ違いすぎたのかな。

ちゃんと繋がるってなに?

他者が分からない存在だって前提で、ちゃんと大切にするよう、ぼくはもう頑張ったよ。

自分がすごくぐらついているのが分かる。揺れていて、信じられるものがなにかわからない。なにかを信じて、心の中のあったかいものとか、やわらかいものとか、それを人のせいにしないように、頑張って、頑張ってるのに。人に甘えたり、寄りかかったりしてもなんにもなんないのわかってるのに、どうしようもなくて、間違えてばかりだ。今年に入ってから、酷く傷ついている。なんだか疲れた。

誰かここから連れ出してくれ。人生最大のピンチ。

食べたもの日記 ~その1~

You are what you eat, I am what I eat.

ティラミスばっかりひと月食べていたら、私はもうほとんどティラミスってことだよね。それってすごくない? て会社の同僚に言ったら、なに言ってんのこいつ的な目で見られました。

だけど本当にそう思うの。

立派な食生活では決してなく、でたらめな組み合わせや、ジャンキーなもの、暴飲暴食も多々ありますが、とりあえず最近のぼく。

 

 

3月1日(金)

昼食(社食)

・白米(ぱさついている)

・お味噌汁

・チキンのスパイス焼き

・しょっぱいふろふき大根

 

夕食(タイ料理屋)

・にんにくの効いた空芯菜の炒めもの

・ガパオライス(唐辛子がとてつもなく辛い)

・氷が入っていてストローで飲むバケツビール

 

夜食(バー)

・ホットアルコール(甘くシナモンが香って体の温まるやつ)

・「娼婦」という名前のカクテル(カンパリをトマトジュースや赤ワインで割ったもの)

 

3月2日(土)

昼食(コンビニ食)

・ふんわり玉子ときくらげの中華炒め丼

・唐揚げ棒

ハッシュドポテト

 

夕食(居酒屋)

・白米(100点ではないがつやつやしていておいしい)

・お味噌汁

・本サワラの西京焼き

・大根の福神漬

・エンガワのユッケ風卵黄まぜまぜ

ハートランド(グラスで出てくる生のもの。エンガワのお供に飲んだら海の味がして喉を洗われた)

・三岳の水割り

 

3月3日(日)

朝食兼昼食(買い物)

・オリーブオイルたっぷりのセサミパン

ピロシキ(朝からハイカロリーなものを口にして、「はっ」と嬉しく声が出た)

・チョコドーナツ(オールドファッションでサクサクとしている)

セブンプレミアムのアイスコーヒー

・ちゃんと桜の葉が塩っぽい桜餅(つぶあん

 

夕食(中華料理屋)

・ビール(店員のお姉さんがおまけしてくれて一杯無料。嬉しくおいしくその後もじゃんじゃん飲む)

・エビせん

・エビチリ

・豆苗炒め

・酸辣スープ

・小龍包(中華料理は最高だなあ、元気が出るなあと思いつつ食べる)

・きゅうりとにんにくの和え物

・鶏肉とカシューナッツ炒め

・きくらげと玉子炒め

・激辛牛肉あぶら土鍋

・春巻き

紹興酒(3杯くらい飲んだ気がするが定かではない)

 

夜食(バー)

・焼酎の午後の紅茶ストレートティー割り(何杯飲んだかわからない)

・クライナー(よく知らないが小瓶で飲む甘ったるい酒)

 

夜食(コンビニ食)

・惰性で食べてしまったおでん(大根、玉子、餅巾着)

 

3月4日(月)

昼食(社食)

穴子天そば(穴子がとても熱い)

・茄子と玉ねぎの塩だれ和え(おいしい)

 

夕食(大戸屋

・五穀ご飯(大盛り)

・わかめのおすまし

・お新香

・ロースかつの玉子とじ

 

3月5日(火)

昼食(社食)

・ポークカレー

コールスローサラダ

ジョア(マスカット味)

 

夕食(コンビニ食+自炊)

ハッシュドポテト

ファミチキ(スパイシーチキンの方が油っぽくて、食べると口まわりがてかてかする感じがしてぼくは好きだ)

マルちゃん正麺

・菜の花のおひたし(春の暴力)

 

3月6日(水)

昼食(社食)

・白米(やはりぱさついている)

・野菜スープ

イカと野菜のチリソース炒め

・菜の花と玉ねぎのサラダ

 

夕食(居酒屋)

・生ビール(プレミアム・モルツ)

・雲丹といくらのこぼれ軍艦(一口で絶頂。口の中パラダイス)

・炙りとろ〆さば

・炙り帆立貝柱

・炙りサーモン

・強炭酸ハイボール

・エンガワの昆布〆炙り

・海のフォアグラ 雲丹バター炙り(QOLの急上昇を確信)

・五凛 純米山田錦(石川の日本酒。冷酒でいただく)

・甘海老(三貫)

・鯵のねぎまみれ

〆さばねぎまみれ

イカのシュウマイ

・うなぎのシュウマイ

・まぐろアボカドユッケ 雲丹マヨ

・チョコレートケーキ

 

おやつ(路上)

・ポッキー(二本だけ)

 

3月7日(木)

昼食(社食)

・とろとろ卵デミオムライス(チキンライスのお米に芯が残っていてぼく好み)

・お味噌汁

・茄子の煮浸し

 

夕食(牛丼屋)

・牛丼の並盛

 

夜食(自炊・おやつ)

しじみと菜の花のバター炒め

・五郎島芋金時ぷりん(思った以上に芋のほっくりした感じがあって自然に甘い。満足)

 

 

一週間終わり。本当にでたらめだな、と思うが予想以上に楽しそうな食生活。そりゃあ、中華料理は馬鹿みたいに食べるのが流儀だし、春は菜の花がすばらしいものね。

寿司は最高。本当に最高。お酒とコンビニ食はほどほどにな。とりあえず、一度も登場しなかった朝食、早起きしてたまにはとれよ。

おやすみなさい。

ドーナツ / FRESH!! / 夢で逢えたら

ドーナツ

 

ドーナツの穴のなかには

なにがあるの?

半分こしたらなくなって

あまいあまいグラニュー糖

しろい口まわり あーあ

 

賢明な判断だわ

バスロータリーでぐるぐる回って一回休み

まぶた重いです ごしごし

てるてる坊主ぶらさがってるの?

 

自転車置き場でひとりぼっち

となりのクラスに顔を出すの

後出しじゃんけん したり顔なんて

ふざけてる あーあ

 

ドーナツの穴のなかには

なにがあるの?

ぽっかりのぞき穴

半分こして見えなくしてね

 

 

 

FRESH!!

 

二年前の写真眺めて

いまよりちょっと若い自分

まるっきり他人みたい

かなり不敵で不遜な態度

生意気小粋

 

やっちゃいけないことなんて

なんにもないのに

なんにもないの

 

いまの貴方が一番新しい

 

 

 

夢で逢えたら 

 

独特のにおいがするの

鼻と鼻をくっつけて

踊り明かすんだ 得意のファンタジー

 

ひとつ伸びをして

バリアを壊す

人生はそんなに深刻じゃない

 

眠るだけ眠って

朝も昼も忘れて

泣けるだけ泣いて

意味も空も忘れて

 

寄りかかったら

スイッチ押せば

自由になるの

あなたもゆううつも、バイバイ

24 hours

2019/2/9(土)

 

となりの気配で目が覚めたら、自分の両側にぴったり人がくっついていてびっくりした。シングルのマットレスに、三人で眠ったから、ぎゅうぎゅう詰め。すこし汗ばんでいて、ちょびっと気持ちがわるかった。「川の字になって寝ようよ」と酔ったぼくが提案したからだったけど、これじゃあ、【川】の字ってより太い【一】の字じゃん、と思って可笑しかった。

 

ゆうべは長野からやってきた友人と、ピッツァを愛している人と、YUKIを愛しているぼくの三人でお酒をのんだ。新宿三丁目にあるピッツァが売りのお店で、マリナーラを頼んだ。それから鯛のカルパッチョとか、アヒージョとか。一杯目にビール、それからボトルで白ワインと赤ワインを一本ずつ頼んだ。ピッツァを愛している人いわく、マリナーラは「まあまあ」の味だそう。

途中トイレに立った時、トイレの前に外国の方が立っていて、カタコトで中にまだ人がいることを伝えてくれた。テーブルに戻って、「カタコトで喋る外国人ってなんだかかわいいよね。流暢に話されたら、なんかやだ」といったら、ぜんぜん共感を得られなかった。いいじゃん、カタコト。

ほかにも、長野の友人が運営しているシェアハウスの話や、彼が東京にきて観たアニメ映画の話などをした。彼が、「ネットカフェに泊まるつもり」なんていうから、よければうちにおいでよと誘った。三人でぼくの家に場所を移して乾杯しなおした。それから太い【一】の字になって眠った。

 

7時半ころ、友人が目を覚ましたのでぼくも一緒に起きた。彼が家をでるのを見送ってから、もうひと眠りした。寝不足の日がつづいていたせいか、正午前まで眠ってしまい、ピッツァ好きの人に起こされた。彼のことも見送って、それからお風呂にはいった。

着替えて外にでると、点のような雪が降っていた。空気がぴんと張るほど寒い日の方が、肌の感覚がなくなって、かえって寒く感じない気がする。白い息を吐きながら、ひとりで黒いアスファルトの上を歩く。綺麗に息を白くするコツは、吸った空気を三秒くらい肺に溜めて、あっためてから吐きだすこと。これはぼくが小学生のときに気づいた発見。

家の近くにある蕎麦屋へいき、牡蠣のはいった温かな十割蕎麦をたべる。小さなころは、牡蠣は貝柱しかたべられなかったけど、いまじゃ身の部分の方が好きだ。温かなつゆにはいった牡蠣の身は、噛むとなめらかで熱い海のような味がした。とろとろと口の中であふれて、潮のかおりが鼻にぬける。寒い日、起きてから最初に胃にいれる熱いたべものは、しあわせの味がするように思う。

 

ごはんのあと、新宿へ向かう。タワレコYUKIの新しいアルバム “forme” を購入する。早く聴きたくてとんぼ返りで家路につくも、最寄り駅からの道で、前々からいきたかった喫茶店にはいる。ロイヤルチーズケーキとコーヒーを頼んだら、運ばれてきたケーキのお皿に、カラフルなソースアートがなされていて嬉しくなった。外は雪が強くなっており、それを眺める向かいのおばさんの話し声が聞こえてくる。ケーキは、江國香織の散文集を読みながらたべた。

家について、歌詞カードを眺めながら “forme” の世界にじっくりと浸る。たぶん、これまでに聴いたどんなアルバムよりも泣いた。YUKIは変わっていく。かわいい。

 

皿洗いをしながら、実家にいる母へ電話をする。かつてのぼくの部屋と、兄の部屋が工事によってくっついたらしい。壁も貼り換えたそうで、くっついたその部屋には兄夫婦が住む予定だ。YUKIも変わるけど実家も変わっていくのだなあ、と思う。

12歳のぼくは、よく夜になると二階にある自分の部屋の窓をあけて外を眺めていた。冬でもそうした。初めての恋をしていた。夜の町はもの静かで、すっと高い夜空も切なくなるのに適当だった。パジャマで素足で、けっこうな寒さだったと思うけど、仙台の空気はぴんと張っていたからあまり寒さは感じなかった。

あれから12年が経って、ぼくは運転免許を取得したし(ほとんど運転しないのでゴールド免許)、ひとりで暮らしているし、友人と他愛ない話で笑ったり、何人かの人と出会ったりさよならしたりした。ぼくはいまここにいて、外はもう雪がやんでいる。

 

いまから12年後、ぼくはどこでなにしてるかな。わかんないな。

きょう聴いたYUKIのアルバムの12曲目が “24hours” っていう曲でね、作曲がCharaで、作詞がYUKIなの。

 

遊んで 夢見て 眠って 歌って 踊るように

  話し足りないわ 24hours

  抱きしめてよ 24hours”

 

文章を書いてたらもう朝で、ぼくの身体は眠たくなってる。

24 hoursあっという間だな。

いまから12年後、ぼくはどこでなにしてるかな。わかんないな。

とりあえずきょう、手をつないであったかいなと感じたり、頭を撫でられてもっと撫でてほしくなったり、もっと話したいなと思ったり、24歳のぼくは、恋をしているよ。デルフィニウムアジサイ、リンドウ、プルンバゴ、スミレ、それからあの夏の花。そして、言葉が好きだよ。

目印をつけて

ひとりでどこかに行きたい、と思い、家を出た。

海が見たい、夕陽を眺めたい、と思い、立石公園というところに訪れた。JRの逗子駅を降りて、そこからバスに乗って20分ほど揺られて辿り着く。バスはとても混んでいて、ぼくはその中で “デッドエンドの思い出” という、よしもとばななの小説を読んでいた。短篇集で、昔一度読んだことのあるものだった。

そこに着く途中、バスは海沿いを走っていて、だから空が夕焼けていく様子がよく見えた。すうっと通った水平線の上を、はけで描いたように小さく雲が浮いている。

バスを降りると、波が寄せたり引いたりする、低いざばぁという音が聞こえた。綺麗な夕陽が見られるということで有名な場所らしく、浜に降りていく人がたくさんいた。

砂浜には、ゴールデンレトリバーを連れた夫婦や、夕焼けがよく見えるよう、少し小高くなった岩の上に立つ恋人たち、波打ち際を追ったり逃げたりして遊ぶ子供たちなんかがいた。ぼくは少し岩場の方へ移動して、ゆったりと、夕陽が落ちていく様を眺めていた。直接見つめるには、夕陽の光はあまりに眩しくて、軽く目をつむった。まぶたを閉じていても、強い光が見えるのはどうしてだろう。じんわりと、やわらかく目の奥に滲む。軽く目を開いて、それから、夕陽のとなりの山が描く稜線、曇りのない青と橙、そのあわいのうす白い部分を飛ぶ鳥の黒さなんかを、ぼうっと眺めていた。

「立石公園」という名の通り、大きな岩が、立ったような姿で岩場にそびえていた。その後ろに落ちる夕陽を美しく捉えようと、三脚を立ててカメラを構える男の人が、何人かいた。

太陽は、ゆっくりと、しかし確実に落ちていく。

ぼくの隣にいた家族のうちのひとり、男の人が、

「沈んでく、ほらほら、沈んでく沈んでく」

と言う。

「もう半分くらいまできたね」

と子どもが言う。

そこからは、あっという間だった。夕陽の、強い強い光はあっという間に点になり、そして僅かに小高くなった地平線の向こうに消えた。

夕陽の名残りが空に溶けて、陽が落ちた地点の上が明るい橙色にうっすら光っている。

人々の多くが、踵を返して浜を去っていく。ぼくはそのまま、しばらく暮れた後の水平線を眺めていた。携帯で写真を撮ってもみたけれど、画面に写るそれは、この目で見た景色にまったく肉薄しなかった。

波の音と、そのはざまにある静けさが、今も耳の奥に残っている。

 

 

 

大きな自然に触れると、すべてが流れの中にあるんだと感じる。自然に委ねようと思うし、自然に委ねたらこんなところまで来てしまった。

 

誰かと突然に出逢って、大切にしようとしたり、うまく大切にできなかったり。初めてではない別れに、初めてみたいに傷ついてしまったりもする。どうしようもなく動揺する。

 

もしかしたら、過去、ぼくが違う選択をして、そしたらもうちょっと今とは違う形で、一緒に、幸せに過ごせたかもしれない人。ぼくたちはこうして離れ離れで、それぞれの場所で生きてる。ぼくはたくさん間違えて、そのときどうしてその行動を選択したのか、利己的な気持ちだけではなかったことを、誰かにわかってもらいたがってる。

 

 

 

生きていく中で、色々な想いを抱えることは、避けられないことだと思います。それは傷となり、痛みとなり、哀しみとなって、心に残るかもしれない。

自分自身の意思や選択では、どうにもできない哀しみもあります。世界は、本当に、夜にごうごうと流れる川の鈍い光のように、ぞうっとするような怖さを含んでいる。

 

 

“ぼくたちは、次の瞬間なにが起こるかわからない世界にいるわけじゃないですか。次の瞬間、というと大げさに聞こえるのなら、「明日なにが起こるかわからない」でもいい。そういった世界に過ごす中で、なるべくなら楽しく嬉しく過ごしたいし、人と愛し合って生きたいと願うのは当然のことだと思うんです。それでも、うまくいったり、うまくいかなかったりする。その全部が美しいって言えてしまうような、そんな小説を書けたら最高だなと思うんです。今というこの瞬間が、だれにとっても初めてのもので、だから不安で、心細くもなるけれど、そこを勇気を持って楽しむ、そんな力を与えてくれる小説を書きたいと思いました。”

 

 

ぼくは真剣に生きたいと思いました。

それは、これまでもそうだったけれど、より強く。これは切実な想いです。

真剣に、誠意を持って生きていくとしたら、正直にならざるを得ない。楽しく笑って生きるためには、自分の生き方に責任を持たざるを得ない。

 

 

穴ぐらに逃げ込んでいる暇はない。

 

 

覚悟が必要だと思いました。

哀しみをなかったことにするのではなく、ぼくは新しくなっていきたい。

過去と今の対比の中に哀しみが生じるなら、ぼくは今に焦点を当てたい。歓びはいつも “今” あることを、ぼくは既に知っている。

 

もっと殴られたい。もっと曝け出したい。

すべてを初めてのように感じたい。ちゃんと傷つきたいしちゃんと喜びたい。勇気を持って。自信を持って。

愛する人の幸せを願い、出逢う人に愛をもって接するしか、ぼくの選ぶ道はない。

もちろん、ぼくはまだまだ未熟で、幼稚で、子どもかもしれない。

それでも、いつまでも甘えていてはいけないと思いました。自分の未熟さや、幼稚さに。

 

 

 

ぼくは、ひとつひとつ、忘れていく。

だから、ひとつひとつ、目印をつける。

ぼくだけにわかる、ぼくだけのための、目印。

惑っていた自分さようなら。

 

ぼくの愛する人が、それぞれの場所で、笑ったり俯いたりしながら、美しい朝の光を浴びていますように。