顔 (Stigma)

女が成功しているだけで枕営業って言われるこの時代、社会的な肩書、経歴、名前、総てどうでもいい、無知は罪、表面だけをなぞって理解した心算か、裁判官ごっこしている奴らの美醜を、

 

俺が判断してやろうか、

 

かまととぶってら、自覚した瞬間に損なわれる美しさ、指摘した瞬間に自覚される醜さ、取り繕おうと右往左往する様は憐れ、居直る姿はもっと憐れ、惚れた腫れた焼け焦げた、相手に自己を投影しようとして乱反射し本体は透明もっと本質だけを捉えて我執が煩い、俺らまるでマトリョーシカ、相手と自己を区分しようとしてかさぶた剥がし本体は実体もっと表面だけを見詰めて手前が煩わしい、俺らまるでナルシスト、

 

自覚が足りねえってんだ、

 

男同士であいし合っちゃ駄目なのか、三人で恋愛してちゃ駄目なのか、人を傷つけたことありませんか、食べ物着る物どんなプロセス踏んだか知ってますか、罪悪感ありませんか、常識って何だ、普通って怖い、未知は恐怖、9%の缶チューハイはドラッグではないのですか、キマってる人TOKYOにて多数、思考停止が一番の安全ドラッグ、

 

「貴方は善悪を、一体何で判断しているのですか?」

 

これが俺の顔、出会い系アプリで身体晒す人々、ネットニュースのコメント欄、拡散の勢いは正誤ではなくインパクト、政府公認の洗脳、噂話って大っ嫌い、本体は何処、これが俺の顔、この世に唯一の美しさ、この世に唯一の醜さ、信頼に足るアイデンティティー、公衆に見られ晒される俺の唯一の持ち物、

 

判断する前に理解せよ、知覚せよ、凝視せよ、

 

さもなくば裁いてんじゃねえ。

 

 

 

その顔は誇大な自尊心で薄汚れている。