あの町 あのにおい あの空気

自信を持ちたい

ちゃんと選びたい

ぼくがぼくを選びたい

 

四方が山に囲まれた町で

凍える冬の寒さが空気を満たして

感覚のなくなった体の表面で

目一杯に浴びた星の光 無数の光

 

あの山に灯るのは 道標だろうか

 

ちゃんと選びたい

あなたと一緒にいたい

あなたと一緒にいられる自分を選びたい

 

自信を持ちたい

もっと笑いたい

ゆっくり流れる時間の中で

浮き彫りになるのは本当の自分

 

白い息

ぴんと張り詰めた冬の空気

早い宵闇と遅い夜明け

透き通る遠い空のいつかのグラデーション

 

薪の赤さと 燻されたにおいが

道標だろうか

 

言葉ばかりになって

自信を失くしてわがままになって

泣き出した自分本位な自分

かたくなさ 柔らかく包んでくれる

あなたの口づけで守られた朝

 

大切なものが大切だ

大切じゃないものは大切じゃない

砂時計みたいに溶けていく時間を

利き手じゃない同士の手で

繋ぎ合いたい

 

 

 

ぼくはひとりだ

 

ひとりぼっちは虚しい

ひとりぼっちは悲しい

ひとりぼっちは楽しい

 

あなたもひとりだ

 

ひとりぼっちは寂しい

ひとりぼっちは当たり前だ

ひとりぼっちは楽しい

 

一緒にいられるのなら嬉しい