淋しがってる暇はない

ある人に手紙を書いた。便箋10枚ほどの長い手紙。

返事はすぐ返ってきて、「しょげたり、淋しがってる暇はありません」という言葉をもらった。

「あなたは優しいけど強い人間だと思っています。その強さは風のように柔軟で、自分が嬉しい時でも苦しい時でも、周りの人に気を配り笑顔を届けられる人だと。」

 

 

道幅の広い国道沿いにあるサイゼリヤに、深夜まで居座って本を読んだり、言葉を延々と綴ったり。

帰り道に見た、たくさんの車のヘッドライトとか、朝までお休みしてる線路の静けさとか、めいっぱい吸い込んだ胸にふくらんだ夜とか。

紛らわしたり、押し殺したりしないで、叫んでしまえばいい。誰しも、泣き喚けばいい。たとえその痛みが、醜くったって、苦しくったって。

鏡の前に立てば、目を赤くしたあの日の自分が見えるような気がする。

解き放った命の真ん中は、変わらないけど、ぼくはそれを抱きしめてあげられる。

ぼくは、ぼくの孤独を抱きしめてあげられる。

だから君は、君の孤独を抱きしめてあげられるって、そう思ってる。

 

 

自転車こいで、坂道のぼったりおりたり。

幸せになったり不幸になったり、ぼくらきっと、浅い夢を見ている。

すべてが通り過ぎて、跡形もなく消えてしまいそう。

それでも、呼吸を繰り返している、広い世界に駆け出している、新しい朝に手を伸ばしている。

恋のひとつやふたつ、敗れたって構わない。この世界に遊ばれて、死んでったって構わない。

哀しさも優しさも持ち合わせて、誇らしく生きていたい。

君は美しい。

 

 

「どうか優しく強い人間であれ。これから先、あなたから勇気や笑顔をもらうことを待っている人たちが、たくさんいることを、忘れずにいてね。」