モノクロ

なまぬるい匂いで曖昧な気持ち

無暗に空が青い一日 不安で安心になるよ

春がくるたびにこんな気持ちか

月が明るい

あなたに出会う前の自分がどうとか思うのは

 

 

時間ばっかりあって持て余しては

散歩に出て心の整理をつけるためとか

言い訳を繋いで行き止まりの坂の途中で泣き暮らした

雨が冷たい

あなたもぼくも孤独だとかなんとか思うのは

 

 

薄い紙一枚のうえを歩く世界

泥船ですすむ天地無用の世界

片目をつむってバランス失った世界

 

 

強炭酸のサイダー

舌のうえで弾けたときのような

ざらついた声が好きだった

 

 

空に張り付いた夜を筒にして 真白い月を覗き穴にして

あなたの心透かせたらいいのにと

右目擦るふりしてあなたの横顔を見ていた

白と黒の輪郭が踊る

曖昧に記憶が揺れる

前髪払うつもりで逸れた指先 触れた頬

ああ駄目だ

また身体が覚えてしまう

ブラインドがつくる白黒の距離

まばたきで触れてしまえそうな肌の距離